山田日記

思ったことをつらつらと

ポトレカメコの研究

 

Twitterにはポトレカメコ界という界隈が存在する。

ポトレとはポートレートの一種の蔑称で”なんちゃってポートレート”というニュアンスを持つ。カメコとはカメラマンの蔑称である。つまりポトレカメコとは「なんちゃってポートレートを撮る素人カメラマン」という蔑まれた意味を持つと言える。

これらのポトレカメコたちは「ポートレートを撮る」といいながら若い女性のみをターゲットとする傾向がある。本職のカメラマンは少なく殆どがアマチュアである。


またこのポトレカメコたちに撮影してもらう女性たちのことを「被写体」と呼ぶ。被写体とはもっと広い意味を持つものであったがTwitterで被写体といえば若い女性を指す。
なぜ彼女たちが自分をモデルと呼ばず被写体と呼ぶかというとモデルと言うにはおこがましい容姿を持っているからである。この被写体についての調査はまた別の記事で取り上げることとする。

 

Twitterにはおよそ800人ほどのポトレカメコが存在すると言われている。この800人のポトレカメコたちをつぶさに調査した結果、次のようなグループに分けられることがわかってきた。本稿ではこのポトレカメコの分類を試みることにする。

 

1. いいね!やRT数にこだわる営業マン型ポトレカメコ

彼らの特徴はいいねやRT数にこだわりを持ち、なにかあるごとに「100いいねありがとうございます!」と騒ぎ立てるグループである。
彼らは何事につけ派手に騒ぐ習性を持ち、単なる審査制サイトに写真が選ばれただけで「あの最難関審査制サイト〇〇に写真が選ばれましたー!」と雄叫びを上げる姿はさながらブラック企業の営業会議を見ているようである。
数字で可視化されるせいか近年ではこの手のカメコが増加し、中にはフォロワーを買ってまで自分を大きく見せるものも出てきている。

このようなカメコには「とにかくTwitterで目立ちたい!」という承認欲求こじらせ型の被写体が集まる傾向がある。

 

2. アーチスト型ポトレカメコ
彼らの特徴は年がら年中作品展と言う名の交流会を行っている点である。一体どこからその創作熱が出てくるのかと感心するが、一度足を運んでみればわかるが、よくある女の子の写真の羅列で特段目新しいものはない。
入場者は彼らのフォロワーやお仲間がメインでそれ以外の部外者は入場可能だが意見など言ってはいけないしきたりになっている。
以前、名古屋で開催されたリアルポートレート展(通称 リアポ)なる交流会に何を間違ったか写真学校の学生が迷い込み「写真をしっかり勉強しておいてよかった」とツィートしたところリアポ関係者の逆鱗に触れフルボッコにされたのは記憶に新しい。

この手の交流会はポトレカメコと被写体のペアが在廊し仲睦まじい姿を来場者に見せつけるのも特色の一つになっている。

 

3. 撮影会系ポトレカメコ
彼らの特徴は撮影会に足繁く通い撮影会モデルのポトレを撮るカメコである。
撮影会はずっと昔から存在していたサービスで、SNS普及以前たくさんの女性のポートレートを撮れる手段はこれしかなかった。
しかしながらSNS普及により人気と腕さえあれば無償で被写体を集められるようになった現在、撮影会カメコは負け組カメコというレッテルを貼られつつある。

 

4. 企画型ポトレカメコ
彼らの特徴は「〇〇ガール」等の企画を立ち上げそれに賛同する被写体を集めサイトもしくは写真集を販売するカメコたちである。
かつてウィンクキラーなど面白い企画が目白押しであったもののこの手のカメコは2015年以降激減し現在では絶滅天然記念物カメコに認定されている。

 

5. 出会い系ポトレカメコ

彼らの特徴は文字通り被写体に近づきあわよくば食べてしまおうとするタイプである。彼らは普段は1-4のどれかのタイプに擬態し被写体に警戒されないようにしている。しかし被写体が隙きを見せた瞬間、本性を見せる傾向がある。

このタイプのカメコは一歩間違えると女性の怒りを買いTwitter上で晒し者になることが多い。以前、写真塾と写真ギャラリーを経営していたカメコが被写体とトラブルになり腕枕をしたことを暴露されるとアカウントが一瞬にして炎上し、これ以降まともな活動ができなくなったことは記憶に新しい。

またもう一つの特徴として、このタイプのカメコは被写体と交際するようになると写真をやめてしまう傾向がある。

 

 

次稿では各タイプ内の主だったカメコグループとそのグループ内の抗争に焦点を絞って論考を進めたい。